
酵素風呂が安くない理由◆
酵素風呂は、正直に言って、安く提供できるものではありません。
それには、ちゃんとした理由があります。
手入れが、想像以上に大変
酵素風呂は、一度作ったら終わり、ではありません。むしろ、そこからが始まりです。
酵素風呂には、毎日の手入れ作業があります。これが、想像以上の重労働です。
酵素風呂は「好気発酵」です。
つまり、すべての糠に、しっかりと空気を含ませる必要があります。
そのために欠かせない作業が、下からすべてをひっくり返す「天地返し」です。
スコップを使い、隅から隅まで糠を掘り起こし、持ち上げ、返し、混ぜていく。
見た目以上に、全身を使う重労働です。初めてこの作業をしたときは、本当にへとへとで、正直、逃げ出したくなったほどでした。天地返しの後は、糠やおが屑、薬草を加え、手で丁寧に混ぜたり、撹拌機を使って全体を攪拌したりします。
撹拌機はコンクリートや塗料を混ぜるときに使うような、現場仕事用の、かなりパワーのある機械です。
手混ぜのみのお店もありますが、
より均一に混ぜ、より多く空気を含ませるため、私たちの店では手混ぜ+撹拌機で仕上げをしています。
この撹拌機は、とても重く、回転の力も強いため、実は女性が扱うには、かなり大変な道具です。
また店舗の方針によっては、一つの槽の手入れに、2時間近くかけることもあります。
毎日、人の手で“呼吸を助けてあげる”ことで、ようやく生き続けるお風呂なのです。
繊細さと感覚が求められる仕事
重労働であるだけでなく、酵素風呂の手入れは、とても繊細です。
温度を見て、湿度を見て、香りを感じ、ぬかやおがくずの状態を確かめながら、少しずつ、少しずつ、手を入れていきます。菌が元気すぎてもダメ。元気がなさすぎてもダメ。ほんのわずかな変化に気づけるかどうかで、
次の日の酵素風呂の質は、大きく変わります。
これは、マニュアル通りではできません。毎日向き合い続ける手間と時間、そして「感じ取る力」が必要なのです。
愛がなければ、続けられない
酵素風呂は、単なる「作業」では続きません。正直、とても大変です。体力も使いますし、手も汚れます。
夏は、汗の量も半端ではありません。
休みの日でも、「今日は大丈夫かな」と様子が気になります。それでも続けられるのは――
このお風呂に入った人の身体が、少しでも楽になって、喜んで帰っていく姿を見ることができるからです。
その笑顔があるから、続けることができる。
愛情がなければ、ここまで手をかけ続けることは、決してできません。
受け継がれていくもの
酵素風呂は、楽な仕事ではありません。時には、心が折れそうになることもあります。
それでも――人の想いと、酵素風呂への愛に支えられながら、こうして受け継がれ、守られています。
酵素風呂が安くないのは、手間と時間、そして人の想いが、たっぷりと注がれているからなのです。
1日に入れる人数には、限りがある
酵素風呂は、何人でも入れるわけではありません。一度に受け止められる熱量、菌が耐えられる負荷、
そして、次に入る方のための回復時間。それらを考えると、
1日に入れる人数には、自然と上限が生まれます。
たくさんの人を詰め込めば、一時的には売上は上がるかもしれません。
けれど私たちは、一人ひとりが、ちゃんと温まり、ちゃんと受け取れる状態を大切にしたい。
だからこそ、人数を制限している店もあります。
酵素風呂の料金には、
・毎日の手入れ
・目に見えない時間と労力
・続けるための覚悟
・そして、身体を預かる責任
そのすべてが含まれています。
高いのではなく、「安くできない」のです。
そしてそれは、あなたの身体を、軽く扱っていないという証でもあると思っていただけたら嬉しいです。
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