
発酵とは「環境を整えること」
発酵の仕組みを、やさしく
発酵と聞くと、「菌を入れること」「何か特別なことをすること」そんなイメージを持つ方も多いかもしれません。
けれど、私が酵素風呂を通して感じている“発酵させる”という行為の本質は、少し違います。
それは、発酵させる=環境を整えてあげること。
温度、湿度、空気、水分、栄養。その環境が整ったとき、菌たちは「さあ、出番だよ」と言われたかのように、自然に、そして黙々と働き始めます。
人が無理に動かすのではなく、菌が働きやすい舞台を用意する。それが、発酵の基本です。
微生物は環境に正直な存在
微生物の働き 〜 主役はいつも、見えない存在 〜
発酵の主役は、目に見えない微生物たちです。彼らは、
・自分たちに合った環境では活発に
・合わない環境では静かに、あるいは姿を消す
とても正直な存在。
だからこそ、発酵がうまくいかない時、「菌が悪い」のではなく、
環境が合っていなかったということがほとんどです。
これは酵素風呂も、まったく同じ。
米ぬかやおがくずの配合、毎日の手入れ、その日の気温や湿度。ほんの少しの違いで、
香りも、熱も、発酵の勢いも変わります。
菌は、「ちゃんと見てくれているか」「大切に扱われているか」まるでそれを感じ取っているかのようです。
日本酒作りに見る発酵の本質
日本酒作りに見る「環境を整える発酵」
日本酒作りも、発酵の本質をとてもよく表しています。
酒蔵では、
・室温
・湿度
・水質
・米の状態
・麹の機嫌
すべてに、神経を配ります。
杜氏さんたちは、「発酵させよう」とはしません。
発酵が起きる“環境”を、整え続けるのです。
そして、あとは待つ。
菌が働き、米が変化し、香りが生まれ、時間とともに日本酒が育っていく。
人は、“支配者”ではなく、環境を整える伴走者でしかありません。
酵素風呂は「生きている環境」
「生きているお風呂」という考え方
酵素風呂は、よく「生きているお風呂ですね」と言われます。
それは、毎日同じ状態が存在しないから。
気温が違えば、湿度が違えば、入る人が違えば、菌の動きも変わります。
酵素風呂は、
完成された装置ではありません。
日々、呼吸し、変化し続ける“環境”そのものです。
そして面白いことに、この発酵の考え方は、そのまま私たちの身体にも重なります。
身体もまた、「何かを足す」より先に、環境を整えることが大切。
温めること
巡らせること
休ませること
そうすると、
私たちの中にいる無数の菌や細胞たちが、本来の役割を思い出したかのように動き出します。
酵素風呂は、身体を“変える場所”ではありません。
身体が、自分で働き始められる環境を取り戻す場所。
発酵とは、生きているものを信じ、整えて、待つこと。
せっかちで突っ走り屋で待つ事がとても苦手な私は、
その静かな力を、私はこのお風呂から教えてもらいました。まだまだですが。。。
発酵と腐敗の違い
発酵と腐敗の違い
私たちは、発酵は「良いもの」腐敗は「悪いもの」そうやって分けて考えがちです。
けれど、微生物の世界から見れば、この二つに本質的な違いはありません。
彼らはただ、その場にある環境に合わせて、最も生きやすい形で繁殖し、黙々と働いているだけ。
温度があれば、温度に合わせて。
湿度があれば、湿度に合わせて。
栄養があれば、栄養に合わせて。
そこに、「発酵しよう」「腐らせよう」という意図は、一切ありません。
その結果として起きた変化が、
人間にとって
・おいしい
・役に立つ
・身体にやさしい
そう感じられたとき、私たちはそれを「発酵」と呼びます。
一方で、
・不快
・害がある
・身体に合わない
そう感じたとき、同じ現象を「腐敗」と呼ぶ。
つまり、発酵と腐敗の違いは、微生物の違いではなく、人間側の評価の違いとも言えるのです。
しかも、その評価さえ、実は人によって変わります。
ある人には害になるものが、別の人には何の問題もないこともある。
人体への影響は、決して一律ではありません。
もちろん、人間にとって害があると認定されているサルモネラ菌、腸管出血性大腸菌、黄色ブドウ球菌などの菌も存在します。
しかし、これらの菌は、発酵熱によって高温が保たれている酵素風呂の環境下では、検出されていません。
※別紙参照
発酵と腐敗の定義は実はあいまいですが、環境と状態と匂いに繊細に向き合いながら定期的な検査もしつつ日々酵素風呂と向き合っています。
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