
石川県の郷土料理に、
ふぐの卵巣の糠漬けというものがあります。
ふぐの卵巣は、言うまでもなく猛毒です。
本来であれば、人が口にしてはいけないもの。
けれど石川県では、その卵巣をぬか床に漬け込み、
長い時間をかけて発酵させ、「食べられるもの」として受け継いできました。
何年、何十年という時間を、米ぬかと一緒に過ごすことで、毒が消え、食文化として成立しているのです。
不思議な話ですが、これは事実です。
そしてこの仕組みは、現代の科学では完全には説明されていません。
それでも人々は、
「食べてきた」
「生きてきた」
「受け継いできた」
理論よりも先に、結果がそこにあったのです。
米ぬかには、科学では測りきれない力があるのではないか。
私は、そう感じています。
もちろん、「米ぬかが毒を消す」と断言したいわけではありません。
けれど、説明できないからといって、なかったことにしていいとも思えないのです。
酵素風呂に入られた方の中には、
「デトックスされた気がする」
「体の中が軽くなった」
「不要なものが出た感じがする」
と表現される方が多くいらっしゃいます。
それを、すべて科学的な数値で説明することはできません。
けれど私は、それを「気のせい」と片づけたくないのです。
なぜなら、ぬか床が毒をほどいてきたように、米ぬかは、人の身体の中でも、何かを“中和”し、“整え”、
本来の状態へ戻す力をそっと後押ししているのではないか。
そんなふうに考えたくなるからです。
米ぬかは、何かを無理に変えるわけではありません。
ただ、そこに在り、環境を整え、時間とともに変化を促していく。
それはまるで、人の身体が本来持っている力を、静かに思い出させる存在のようにも感じられます。
その働きには、まだ明確な名前がついていないのかもしれません。
けれど確かに、そこに在り、
そして今日もまた、静かに働き続けています。
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